世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

映画を見たい

大学1年の頃

学生生活にもそれなりに慣れて

日々楽しく過ごしていましたが

 

21時の門限に帰宅した後

寝るには早すぎて

起きていてもすることがなく

時間を持て余していました

 

とはいえ

バイトは門限の都合で週2回3時間

最賃ギリギリの時給で

稼いだお金はほぼ音ゲー

家にインターネットはない

当時はスマホも持っていない

 

秋の夜長、家に篭る中

親から「何もしないで時間を無駄にして」

とのありがたい言葉をいただいたので

 

せっかくならと

1日1クレジット分だけ音ゲー代を節約して

1クレジット分の浮いた時間でTSUTAYAに寄り

映画を借りて1日1本見ることにしました

 

なんとなくの感覚と

店中のポップに踊らされ

適当に見たいものを選んでは

夜、暗い自室で1日1本

誰にも邪魔されずに見る映画は格別でした

 

「馬鹿のくせにカルチャーを気取るな」

と叩かれるのが怖かったので

文字に残すことには忌避感があり

見た映画やその感想を記録することも

当時は特にありませんでしたが

どんな作品でも最後までは見て

その余韻で眠りにつきました

 

名作ばかりだったかというとそうでもなく

見たことすら思い出せないような作品も多いですが

誰かに強制されることもなく

好きなように選んで見た作品からは

無教養でスカスカの頭にも

情緒が植え付けられる感覚がありました

 

残念ながら私のこの充実した日々は

「くだらないものに時間を無駄にして」

と母にTカードを割られることで

ものの1ヶ月であえなく終わってしまいました

程なくして近所のTSUTAYAも閉店しました

 

所詮はその程度の趣味でした

 

でもあの1ヶ月間の夜の時間は

とても実のある時間の使い方だったような気がします

 

1日中映画館に篭れるプランを見て

若くて時間と体力とがあったら

やってみたかったなあとも思いますが

 

せめて一人暮らしを始めたら

どこか休みの日でも使って

部屋に篭って映画三昧でもしたいものです