世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

拝啓 この手紙

54歳のオタクの目線で書かれたお気持ち表明がインターネットで話題だけど

 

いくつまでを『若い』とするかにもよるけど

若いオタク各位は

口先でどんなに「一生オタク」と宣言しても

多かれ少なかれ心の底でどこか

希望、あるいは絶望と共に

「10年後にはオタク趣味は辞めてる」

って思ってるんじゃないかって思うのよ

 

世間の目からの「真っ当な」人間になりたいっていう観念を諦めきれずに

「いい歳して何やってるんだろう」

って心の声がわたしにはずっと聞こえていた

 

別にわたしが真っ当な人間でないのはオタクかどうかに関わらず

わたしという人間が不出来なだけなのにね

 

******

「高校生の自分に向けて手紙を書きましょう」という課題が中学で出されて

その時考えてたことは忘れたけど

数年後、私に届いた手紙には

ポップンミュージックはまだやってますか?流石にもう辞めてるか笑」

と雑な文字で書き殴ってあった

なんとなく悔しかったけど

朧げに「まあ進学でもすれば少しはやらなくなるかなあ、いい歳だし」という思いもよぎった

 

その後、今度は

「22歳の自分に向けて、手紙を書きましょう」という課題を出され

真っ当な大学生活を送るわたしと

孤独を貫き音ゲーに勤しむわたし

どっちに転ぶかわからない中

今度は賭けるような気持ちで高校生の私は

「まだ音ゲーはしていますか?

もうサイレントEXは埋まりましたか?」

と書いた手紙を提出した

いい歳して何を書いてるんだろう

 

その後、幸運にも人間関係に恵まれて

22歳のわたしは虹ネーム目指して全力投球

届いた手紙に書かれた濃い鉛筆の文字に

「大丈夫、まだまだ元気に続けてるよ」

と心の中でお返事しつつ

(いつか、そう遠くないうちに辞める日が来るんだろうな)

となんとなく思っていたわたしは

社会に出ると共に

「もうやりきった」という思いと共に

趣味全般と距離を置いた

 

……はずが

 

数年後の現在、また趣味が楽しくなってきた

いい歳して

「やっぱり帰ってきちゃうんだよねえ」

って笑ってる

 

世間の目と心の声はまだ当分うるさそうだけど

いつか諦めて楽しく生きることに賛同してくれないかなあ