世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

セーブポイント

車窓って別に

陸地を走る乗り物の窓ならだいたい当てはまりそうなものなのに

なぜか電車の窓ってイメージが強いのは

世界の車窓から」のせいでしょうか

 

電車に乗るのが好きです

別に鉄道オタクでも乗り鉄でもないけれど

 

車も乗れないぼんやりとした私でも

唯一使いこなせる自由な移動手段として

地図上でしか知らない場所に確実に連れて行ってくれて

好きなところで下ろしてくれる

 

そうして不時着した見知らぬ土地が

自分の住処と地続きで繋がっているということを実感できるから

 

電車通学を始めた頃から今まで

適当な切符を買っては

適当な電車に乗って適当な駅で降りて適当に過ごした後

何事もなかったように帰るということを時折しています

最高に贅沢な時間

 

そうやって小さく旅した先や

普通に生きる上で訪れた新しい町は

印象的だったイベントと共に

最寄駅単位でわたしの中の新しいセーブポイントとして保存されて

座標情報や文字列に過ぎなかった地名に色がつく

 

そうしてセーブポイント単位で世界は広がり、

記憶域は埋められていくから

いつのまにか首都圏の路線図が

五感の油彩か何かで描かれた

各種記憶のスナップショットで塗りつぶされているような気がして

20余年も東京に住めばだいぶカラフルになってきた気がします

 

いつかいつも使うあの駅この駅も懐かしく通り過ぎる日が来るのかなあって思いながら

今日も最寄りに着きました