今日の音楽
invitation/柴咲コウ
たまたまTSUTAYAで聞いて借りて知った曲
ギタドラを知るよりだいぶ前の話
路面電車なんて風情も
「海」なんて洒落た景色も
身近にはなかったし
誕生日に服を贈れるほどの
服飾センスも
親密な関係の相手もいなかったし
ついでにいうと
炭酸が苦手でラムネも飲めなかった
歌で描かれるノスタルジーとは
比べ物にならないけど
聞くたび思い出すのは同じ記憶
電車でたかが数駅向かった程度の
「少し遠く」の川縁で
手持ち花火を振り回して
ネズミ花火を追いかけ追いかけられ
ビニール傘で夕立をしのいで
線香花火に息を潜める
帰りは少し名残惜しくて
誰が言うともなく
わざと次の各駅停車を待った最後の夏
あの頃と同じ景色を
毎日通勤電車で通過して
時折同じ川縁を歩くこともあるけど
記憶が書き換わらないように
何度でも聞いて
何度でも書いてやる