世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

蜘蛛の糸

これは何年か、いや何年も前のこと

初日の出でも見ようかと

海に向かう始発の電車を待ちながら

真っ暗な駅のベンチに座ってた冬

 

少し浮き足立ちながらも手持ち無沙汰

ツイッターを開いて

呟きもまばらなタイムラインを覗き見して

 

兎にも角にも手持ち無沙汰だったので

何の気なしにタイムラインの海を泳ぐ

「寝れない」「気づけばこの時間」「おはよう」「ねむい」

などの言葉の中から

ふとした瞬間で

「たすけて」といったつぶやきを見つけました

 

飲んだことも話したこともあるけど

日頃から頻繁にやりとりをするほどではない

程度の仲の人でした

でも暇だったのと

なんとなくの気まぐれとで

「大丈夫?生きてる?」と返信してみたんです

 

電車が来るまで反応がないのをいいことに

無責任なもので

私はそのまま始発に乗った後

眠りに落ちて目覚めたら終点間際

また勢いでしょうもない返事をしてしまったと

呟きを消そうとしたところ

 

「誰かが見てくれてて安心しました 本当にありがとうございます」

という旨の返信が来ていて

 

たとえ義理の返事だったとしても

わたしはチョロく小さい人間なので

なんとなく自分のしたことの中で

1番徳の高いことをしたように

舞い上がってしまい

すっかり上機嫌になったものです

 

誰かにとっての蜘蛛の糸になれたような気分は

本当に最高なので

今後もチャンスを狙うとともに

いつか自分に向けて言葉が差しのべられたら

しっかりとお礼を言えるようになりたいと

 

その日以来思っています