世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

自然体

おそ松さん19話見ましたか?

ここのところ

心を掻き乱されるヘビーな話が続いていた中

箸休めとしてとても良質な回でしたね

 

しかも笑えるときたからすごい

 

解散の危機の長男三男然り、

相撲の末弟然り、

犬の四男五男然り

視聴者が思う自然体での六つ子が見られたような気がして

とても良かったです

 

これまで動物も人間もAIも宇宙人も

全部人間が声を当てていたこの作品で

今回の犬は「犬らしい」犬でした

 

こぼれ話やパロディも多く

「色分けされキャラ付けされた兄弟」という設定もふわふわしがちな当作品において

視聴者が各登場人物を識別するためのキーとして

「声」の要素も多分にある中

作品世界の中異質な「声」を持つ犬と入れ替わるのは

違和感に笑ってしまうと同時に

 

十四松だからこそ簡単に「外の世界の犬」と成り代われたんだなと思いました

 

松野十四松くん、

六つ子の中でもとりわけ

「外の世界」を自然に取り入れますよね

 

東尋坊から地球の裏側までと行動範囲も広いし

他の兄弟が登場しない回でも外遊びしてるし

四男とは違ったベクトルでひとり遊びも上手い

 

「僕は僕」という自我もはっきりしていて

他の兄弟が自分の手の内や

知った町並みに自意識を収める中

ひとり宇宙に飛んで俯瞰して外の世界を眺めている

 

交友範囲も

彼女ちゃんや栄太郎をはじめ

高尾山で見知らぬおばあちゃんと交流したり

シャケウメと真っ先に友好関係を築いたりと

六つ子随一に広い上に

新しく作り上げる人間関係は

どれもその場で新しく登場した人間で

 

同じく交友関係が広い末弟というと

「僕は僕のままが一番」と

自分を軸に我が道を貫いている辺り

十四松とはだいぶ見える世界は違っていそう

 

それでいて十四松は

ただただふよふよと生きているでなく

自死寸前の女性を救おうとしたり

「素直になれない」兄の心を開くべしと奔走したり

兄たちが揃って狼藉を働いたコーヒー屋の拭き掃除をしたりと

意外にも1番「正しい在り方」へ導こうとする

規範と道徳心を持った正義の男

 

特に3期の彼は

「結婚して家族を作る」という

現実的な将来設計を兄弟に持ち込んだり

キラキラファントムストリームに襲われる兄に

冷静に突っ込んだりと

地に足ついた考えの人間として

ストーリーラインの中でかなり「常識を説く」

立場にいて

 

視聴者であるわたしたちは

誰かの目で見た松野十四松くんしか

見ることができない以上

 

初登場時に「明るい狂人」と称された彼は

「外の世界」を是としない六つ子の世界の中で

外部の目を意識した彼は

より一層強調された「狂った人間」として

我々の前に表現されているのかもしれない

 

……だなんて思いましたが

犬と入れ替わってもさして違和感もなく家族に溶け込み

思い返してみれば過去には実の親にも

「十四松はひとりで十分」と言わせしめている時点で

ただの思い過ごしかもしれませんね