世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

人類の最適化

おそ松さん第6話を見ました

久しぶりに謎のAIシャケウメが出てましたね

そして、さらに6人と2体との関係が深掘りされましたね

 

数週間前にも松野とAIについて怪文書をしたためましたが

https://sachitama.hatenablog.com/entry/2020/10/28/005537

6話を見たらシャケウメの学習能力とその精度に驚きました

あの子たちは松を見てかなり反応を変えています

以前(3話時点)作った「松たちが捉えるシャケとウメ」の図を再掲しますが

f:id:sachi_tama:20201117200446j:image

6話時点でも、松たち各々のシャケウメに対するスタンスは大きく変わらなかったように思えます

一方で、シャケウメの六つ子に対する接し方は6話にしてようやく目を向けることができました

 

「最適化」というテーマに偽りなく

シャケウメは、自らが判断する基準に則り

六つ子にとって「1番好感度が上がる」接し方を弾き出し

パーソナライズされた体験をもたらそうとしています

 

どんな相手でも初手から仲間として接せる

博愛精神溢れる十四松には

まるで歳の離れた友達か

あるいは親子かのようにキャッチボールに勤しみ

 

「ブラザー」を求め、

シャケウメを新しくできた弟のようにネコかわいがりするカラ松に対しては

何もせずとも頭を撫でてもらおうと甘え

 

シャケウメのことを「便利」「使える」と評する辺りからもかなり上から目線で

プライドも自意識もライジングなチョロ松に対しては

「お手伝いの対価として頭を撫でるという報酬を与える」体験を通して下手に出て

 

自称「王子様」で誰よりも寵愛を欲し生きるトド松に対しては

便利でキュートな家電に徹することで

自分を引き立ててくれる機械、としての評価を勝ち取る

 

一方でそもそも好感度を上げるにあたって積極的に関わりにいくその姿勢は

現在シャケウメとの関わりが薄い2人からすると完全に逆効果となっているのが如実でしたね

 

「松野おそ松に認められるためには、自分たちも弟のように振る舞う」

という学習でもしていたのでしょうか

シャケウメは弟たち直伝の罵倒で松野おそ松をむかえるものの

松野おそ松に関しては「松野おそ松の世界」に長男である自分を差し置いて入り込もうとする時点で

長男の中で身内とそれ以外とを分断する一線が引かれる上

シャケウメは次男三男五男末弟から学習するデータ量が多い以上

長男への当たりがキツくなるよう行動のインプットがされている以上

損得勘定込みでも松野おそ松はシャケウメと関係性を築くメリットはないように思えます

 

松野一松については彼らの学習のインプットは

十四松から伝え聞く人物像のみ

もっとも、他者に対してデフォルトで壁を作る

現在の一松に関しては

正攻法で行ったところでより一層壁を作るだけで

 

何より人に気を遣われることにストレスを感じる一松にとっては

「相手が自分を理解しようとしてくる」行動は

「自分ごときを理解しようと気を遣われている」

「自分のことを簡単に他人に知られてたまるか」

「正直やめてほしいけど悪意がないのはわかる分言えない」

というぐちゃぐちゃした感情から

じわじわと苦痛だったのではないかと思います

 

完全に裏目に出ているんですよ

 

また別の視点からだと

松野おそ松くんの趣味としてよく挙げられる競馬・パチンコなどのギャンブルも

松野一松くんが積極的に触れ合うネコも

その不確実性が人を惹きつけるコンテンツなんですよね

「競馬を完全に予測できるAIを作ったら1億円」

だなんて社会人なったの頃に見聞きしましたが

正直完全な結果の予測ができてしまったら

ギャンブルなんて面白さが半減するんですよ

 

一松がAIに先導されるがままにネコを見つける行為に次第に虚しさを覚えたのと同様に

当初競馬の結果を予測してもらいウハウハだった長男も

(直接的な描写がないのでなんともいえませんが)

どこかのタイミングで、AI頼りにボロ儲けする行為に虚しさを感じたのかもしれません

 

型にハマるような男なんかじゃない松野おそ松と

理解されないことを望む松野一松

自由を愛し

偶然と不確実性を愛する2人には

そもそも「人工知能」という在り方そのものが

とても相性の悪いモノなのではないかと思います

 

シャケウメがAIとしてサンプルデータに偏りがある、あるいは性能が未熟故なのか

それともキャラクターとしての特性で他人の心の機微がわからない故なのか

どっちなんでしょうねえ

自律した人工知能としては優秀そうなシャケウメのこと

彼らもいつかは六つ子全員の心の領域に踏み込める日が来るのかもしれません

 

でも相手は日本全国類を見ない

自由で怠惰でハチャメチャなあの六つ子のことだから

AIの定義する世界には飲み込まれないのかもしれません

50年前にだって、こじきロボット相手にハチャメチャやってる奴らですからね

 

来週以降も楽しみですね