世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

今日の音楽(9/9)

軒下のモンスター/槇原敬之

 

「これは天才の所業だ」と感じる曲は

みんな何かしら思い浮かぶものでしょうが

わたしがここ数年で1番天才的だと思ったのはこの曲です

 

圧倒的な歌唱力がなければ歌いきれない旋律と、それを叫ぶように歌う声

直接的な表現を使わず、それでいてわかりやすく緻密な解像度で少年の日の情景が描かれる詞

そして歌詞で描かれた世界を引き立てる音

 

まあとりあえず聞いてみてくださいよ

https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=4j3O9SziKfo

*******

音楽知識が皆無ながらも

この曲、音程を取るのがめちゃくちゃ難しいのはわかる

全体的に男性が歌うには音域が高いし音程が乱高下する

 

来るはずのない(と『僕』が思い込んでいる)明るい未来についての歌詞については長調に転調し

なにより同じようなフレーズの中にも細かい違いがあって、1音違うだけでフレーズの表情が変わる

(なんだったっけ、短調のフレーズに1音だけ長調の音が入る表現とかなんか名前があったはず)

 

それをマッキーご本人のあの透明感あふれる声が入ることで

本当に思春期の男の子の震える心が叫んでいるようにも聞こえる

力強くも今にも壊れそうな概念としての「少年の声」そのもの

 

少年の叶わぬ初恋を歌った歌詞も描写力がただ事ではない

1番と2番のAメロだけで、この歌の舞台が「『僕』と都会的な『君』が浮いてしまう程に昔ながらの田舎」

ということを伝えきっていて

なぜこの恋が実らないと「僕」が確信するのかということへの説得力がすごい

 

この世界観よ

みんな聞いてくれ