世界は今日も美しい

政治と野球のことは書きません。

今日の音楽(8/15)

Neighbourhood/米津玄師

 

前々から音ゲーだとかでお名前を見聞きしつつ微妙に食わず嫌いしてたのが

最新アルバム発売とサブスク解禁をきっかけに思い立って初めてちゃんと曲を聞いてみたんですよ、米津玄師。

今更ながら、10年ぶりくらいに琴線を鷲掴みにされるようなアーティストに出会ったような感覚です。本当に今更だな。

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洋の東西を問わず、郷愁や過去の自分との対話をテーマにした曲って数多くあるけれど

過去との向き合い方はアーティストによって様々で

その視座が煌めきや愛おしさに満ちてたりすると、陰の者だから聞くだけで気後れしちゃうのよね

 

その点この曲の持つ視点はちょうどよく安心して聴ける。

ただ生きてるだけの人間がギリギリ気後れせずに聴けるような視点。

 

この曲、童謡「ちいさい秋みつけた」に近しい薄暗さとあたたかさを感じる。

薄めたミルクみたいなモヤがかかって

ミクロな描写から居心地の良い環境ではなさそうなことが窺えるけど

曲調も相まって過去を切り捨てるような感じではないし「兄弟」への視点は暖かい。

 

それでいて閉塞感へのフォーカスがシャープだから涙腺丸ごと持ってかれる現実味がある

「生きられないなって トイレの鏡の前で泣いてた」

ってフレーズがとりわけ生々しくて突き刺さる

情景があまりにも想像にたやすい

 

あと「なあ兄弟」ってフレーズは米津玄師のような優しげな低音ボイスのために存在する

耳が心地よいね。

 

過去の自分と会話できるのなら、どれほど良いだろうなあ。

この歌みたいな声をかけられるくらいには立派になりたいな。

まあめんどくさいガキとめんどくさい大人とで多分相容れないんだろうけどなあ。