涙は麻婆茄子の味
日々、中華屋さんに助けられている
安くておいしくておなかいっぱいになって
こんなご時世でも夜遅くまでやってて
軽く一杯飲むこともできる
必ずしもやさしい味って訳ではないけど
学生時代食べつけたような家系ラーメンなんかはもう重くて受け付けなくなった
とうのたった胃袋にも無理なく入り込む
ひとりでもふたりでもそれ以上でもふらりと入れるようなところが良い
有線放送やラジオ放送なんかがぼんやり流れているようなところが良い
胃袋と心臓って近くにあるからかな
食べることは、ひとの心の欠落や虚無を埋める行為のひとつだっていうのを実感するよね
からっぽなところに流れこむぬくもりに涙が出そうで
誰も見ちゃいないのに山椒だとか唐辛子だとか
はたまた立ち昇る湯気のせいだって自分を誤魔化す
ぼんやりとした有線放送に包まれ
静かにふける東京の夜に、ひそかに癒され帰路に着く
そんな時の、それなりに明日が迎えられそうな気分は嫌いじゃない
そうやって日々を乗り切っています
もうすぐ夏休み、それまで乗り切るためにも明日からまたがんばろう
おやすみなさい